チュウBメルマガ VOL.246
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◆◇◆第3回世界保護観察会議◆◇◆
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9月12(火)~14日(木)、東京都港区の品川プリンスホテルにおいて、第3回世界保護観察会議(主催:法務省,国際連合アジア極東犯罪防止研修所(UNAFEI),(更)日本更生保護協会,日本更生保護学会 他/後援:欧州保護観察連合(CEP),米国保護観察協会(APPA),(公財)アジア刑政財団(ACPF),(特非)日本BBS連盟 他)が行われ、39ヶ国、約400名の参加、BBSからは8名参加しました。
この会議は、更生保護分野における世界最大規模の国際会議です。
メインテーマは、「社会内処遇の発展とコミュニティの役割」でした。

BBSは、『Big Brothers and Sisters movement in Japan -更生保護に携わる青年ボランティア-』と題して、特定非営利活動法人日本BBS連盟 戸田信久会長、同連盟常務理事(国際担当)の小山貴弘(こやまん)がワークショップにて発表しました。分科会会場には約100名来場くださいました。

内容は-
●第1部 BBSについて
「歴史」,「会員と組織」,「実践活動」

実践活動について、概要説明と2人の研究結果を紹介しながら事例紹介をしました。

・『ともだち活動』は、不登校・深夜徘徊、学力の低い保護観察中の女子中学生が高校入学を目指し、BBSが学習支援をし、困難を乗り越え高校入学することができた事例。

・『非行防止活動』は、広島県・東広島地区BBS会が児童自立支援施設(県立広島学園1)で毎週実施している「学習ボランティア活動」と、滋賀県・草津市BBS会が市内5カ所で小学生を対象に行っている「寺子屋教室」(2)を紹介しました。

●第2部 日本の少年を取り巻く現状と、BBS運動の課題
「少年事件の減少」,「少年問題の多様化」,「地域社会がBBSに求めるもの」

文部科学省が調査・公表(*3)した、不登校児童生徒数,いじめ認知件数,通常学級における公立小学校・中学校での発達障害の児童生徒数等のデータを紹介し、日本の子どもたちが抱えている問題が多様化していることを訴え、社会環境の変化応じて「BBS運動基本原則」を改定し、これまでの「非行少年」に、さらに「社会に適応できない少年」(引きこもり,不登校,緘黙等)を加えたことを紹介し、地域社会のニーズを我々が模索しながら活動していくことを訴えました。

●第3部 まとめ
「BBS活動が、少年そして地域社会に与える効果」

まず、私たちBBS会員が持っている、『非行少年をほっとけない!』という熱い気持ちと、非行少年と接することで、少年から学び、BBS会員自身が成長し、それが活動のやる気につながり、その繰り返しが、いずれは地域での非行・犯罪の減少へとつながっている。と力強く訴えました。

しかし、非行少年との活動は上手くいくことばかりではなく、BBSメンバーは失敗もしています。しかし、ほっとけない気持ちは、他人が左右させることができない気持ちです。世界保護観察会議では学術会議であることから根拠を基に紹介しましたが、私たちの非行少年たちへの気持ちが一番大切だと、私は思っています。

◆ゲストスピーチ◆
高坂朝人さん
NPO法人 再非行防止サポートセンター愛知理事長(元BBS会員)(*4)

会議の終盤、全体会において、ご自身の非行体験と現在の非行少年支援活動についてお話しされました。
『全ての非行少年の未来は変えられる。でも一人では変えられない。』
スピーチ終了後、スタンディングオベーションがおこり、感動の空気が会場全体を包みました。第3回世界保護観察会議で、一番感動が大きかった場面だと私は思います。
今週末「BBS運動発足70周年記念式典」において、高坂さんの講演があります。とても楽しみです!

★お礼と感想★
こやまん(小山貴弘・中国地方BBS連盟)

はじめに、約1年間にわたり、国際的にご活躍されている戸田信久日本BBS連盟会長((公財)アジア刑政財団審議役)、国際会議に何度も参画されている田代晶子 法務省保護局更生保護振興課補佐官、英語に精通し多方面から無理難題を言われても応えてくださった加藤早紀 法務省保護局更生保護振興課法務事務官(BBS担当)。
特にこのお三方からご指導をいただいたことで発表を終えられたこと、心からお礼申し上げます。

世界保護観察会議を通して、海外の友人がたくさんできました。
これは国際会議の醍醐味だと思います。国際交流の楽しさを知ったのは5年前に私が、「内閣府青年国際交流事業」(*5)に参加したからです。
先月には、同事業で出会ったドイツとデンマークの友人に会い、BBSのプレゼンテーションについて、海外から見た視点を指摘してもらい、発表に反映しました。また英語に慣れるための良い練習になったと思います。
これまで国際交流を体験させてくださった全てのみなさんに感謝しています。

・海外の反応は、アメリカを中心とした、Big Brothers Big Sisters (BBBS)は良く知られているので、日本のBBSについて一から説明しなくてよかったので、早く理解いただけたと思います。
また、英国の大学教授から、BBS活動についてもっと知りたいとメールをいただいたところです。
・国内の反応は、自信がありません。

国際担当役員として、初めての仕事を終えたばかりなので、これから頑張らなければならいと思っています。

■第3回世界保護観察会議ホームページ
http://www.moj.go.jp/HOGO/WCP3/

(*1)広島県立広島学園(児童自立支援施設)(広島県ホームページより)
https://www.pref.hiroshima.lg.jp/site/hiroshimagakuen/

(*2)「寺子屋教室」ブログ(滋賀県・草津市BBS会)
http://kusatsubbs.blogspot.jp/

(*3)文部科学省調査(文部科学省ホームページより)
・平成27年度「児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査」
http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/29/02/1382696.htm
・平成27年度通級による指導実施状況調査結果
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/tokubetu/material/1370505.htm

(*4)NPO法人 再非行防止サポートセンター愛知 ホームページ
https://saihikouboushi-aichi.jimdo.com/

(*5)内閣府・青年国際交流(内閣府ホームページより)
http://www.cao.go.jp/koryu/

--------【配信日:2017.09.19】
◎BBS会員、その他関係者のみなさんへ
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お時間のある時に、ご覧いただければ幸いです。

BBS運動(Big Brothers and Sisters movement)とは、非行少年やいろんな悩みを抱えている子どもたちなどと、兄や姉のように同じ目の高さで、一緒に学んだり、楽しんだり、少年たちの話しを聴いたりする中で、少年たちの成長をサポート・応援し、さらに非行や犯罪を未然に防ぎ、そして再非行・再犯が起こらない地域社会を目指す『更生保護』に協力している、青年ボランティア運動です。

BBSについては、特定非営利活動法人日本BBS連盟ホームページを
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配信元:中国地方BBS連盟事務局
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