チュウBメルマガ VOL.218

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◆◇◆NPO法人食べて語ろう会設立記念講演会◆◇◆

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11月3日(火・祝)広島弁護士会館にて、NPO法人食べて語ろう会設立記念講演会が行われ、100名を超える方々が集まり、広島地区BBS会から2名参加しました。

 

 

「食べて語ろう会」とは?

 

1982年、法人理事長である中本忠子さんが保護司として担当した保護観察中の少年が、「シンナー吸うとると、腹が減っとるのを忘れられる。」と言ったので、その少年にご飯を食べさせました。この少年は、自分のようにお腹をすかしている友だちを連れてきて、その友だちがまた別の友だちと来るようになりました。

2004年からは公民館においても活動を始め、現在に至っています。

 

 

●記念講演「人となること」

 

講師:山田憲児さん(日本社会事業大学客員教授・元法務省中国地方更生保護委員会委員長)

 

山田さんは、「人は何故、罪を犯すのか?」、「人が更生するためにはどうしたらよいのか?」という事をずっと考えてこられ、

『人は人によりて人となる』という結論を得られた。

 

「人は人として生まれるのではなく、人に育てられるから、人となる」

 

なぜその結論に至ったかについて、複数の死刑囚の人生をたどりながらお話がありました。

 

その死刑囚は「母親に三度捨てられた」と言っていた。塀の中に入って、塀の外にいるこれまで連絡を取っていなかった唯一の恩師そしてその周囲の人々と関わりを持ち、短歌や手紙のやり取りをする中で、人間の心を取り戻していった。

罪に向き合うことまた、生きることはどういうことか、また生きている間、殺してしまった家族へ出すことができなかった手紙を、死刑執行日に詫び状として書いた。

 

など、とても奥深いお話しで、拙いこやまんにはちゃんと文章にできません。ごめんなさい。

 

亡くなられた今でも、更生保護に大きく貢献されている、広島県出身の平山郁夫画伯(元東京藝術大学学長)に、山田さんが「なぜ更生保護に関わっておられるのですか?」と聞いたところ、平山さんは「憎しみでは絵を描くことはできません。更生保護も同じでしょう。」

と答えられたそうです。

 

 

●シンポジウム「非行少年の再非行防止と地域の支援について」

(食べて語ろう会でご縁のある方々がシンポジストに)

 

【シンポジスト】

・山田憲児さん

・小出伸行さん(岡山少年院統括専門官)

・永井覚さん(元(公財)暴力追放広島県民会議専務理事)

・中本忠子((特非)食べて語ろう会理事長)

 

【コーディネータ】

定者吉人さん(弁護士・(特非)食べて語ろう会顧問)

 

 

(中本さん)

お節介でも、少年たちの間に入り込んでやることをやる。彼らに寄り添う。そうすれば更生する率が上がると、経験から感じる。

・時間を守る

・地域の人にあいさつをする

これらの約束を守れば、少々悪いことをしても私が責任を取ると少年たちに言っている。

 

 

(山田さん)

親が保護能力を持っていない場合がある。この場合、少年院から仮退院後、少年をどこへ帰すか。この調整が保護観察所だけでは難しく、現在十分とは言えないだろう。

また、実父母がそろっている家庭がだんだん少なくなっている。

家庭基盤の崩壊と言えよう。この場合も仮退院の少年をどこへ帰すか問題である。

 

 

(小出さん)

岡山少年院において、約4割の院生の帰住先が決まっていない。この問題の解決に向けて少年院だけでは難しく、先般の少年院法改正にも盛り込んである通り、さらなる矯正と更生保護の連携により、良い方向へ持っていきたい。

 

 

(中本さん)

少年院から仮退院時、親が少年を引き取ることが決まっていたが、親が子どもを拒み、私の家に来る。虐待が多いのがよくわかる。

そのような時に、少年が一時的にでも住むことができる場所を作ってほしい。また合わせて親をサポートする仕組みがあればいいと感じる。

 

 

(永井さん)

広島県には、「少年サポートセンターひろしま」と「少年サポートセンターふくやま」がある。

市・市教育委員会・広島県警察が連携し、非行防止から立ち直りまでの一貫した支援を実施(広島市と福山市)。

 

・居場所づくり

・立ち直り支援(学習支援,就学・就労支援,ボランティア体験等)

・少年相談

・学校支援制度(スクールサポーターを、問題ある学校へ派遣)

・街頭補導

・広報・啓発活動

 

【少年サポートセンターひろしま】

http://www.pref.hiroshima.lg.jp/uploaded/attachment/167714.pdf

 

【少年サポートセンターふくやま】

http://www.pref.hiroshima.lg.jp/soshiki_file/police/scfukuyamareflet.pdf

 

 

(中本さん)

食べることができず万引きする子が多い。だから食べられるのであれば、犯罪が減るのではないだろうか。子どもたちの空腹のときと、満腹のときの表情は全く違う。

子どもたちから学ぶことがたくさん。

eat&talk

 

 

--------【配信日:2015.11.29

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配信元:中国地方BBS連盟事務局

(事務局:法務省中国地方更生保護委員会内)