チュウBメルマガ VOL.151-2
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◆◇◆日本更生保護学会設立記念大会◆◇◆
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(その1からのつづき)

●「若年犯罪者の就労支援機構:”High:five”」(デン マーク)
High:five 事務局長 オーレ・ヘッセル氏 (Mr. Ole Hessel)
(元警察署長)

“High:five”は、デンマークの「企業経営者全国連盟」 が労働大臣に
協力して、2006年に設立した就労支援機構である。

“High:five”の目指すもの
→独立した機関
→職員がプロフェッショナル
→既存団体を邪魔するのではなく、それらの延長上である
→犯罪者にとって、永続的にライフスタイルの変化を望む
→我々の仕事は、犯罪者にとってだけでなく、全ての人のためでも ある

○組織での壁
・新しい団体なので、他者と連携する風土がない
・簡単なケース(軽犯罪など)しか扱わない

○企業への壁
・なぜ罪を犯した若者を雇わなければならないのか
・その若者を助けることは、企業のやることではない
・その若者を雇い、どんな利益があるのか
・企業にはどんなリスクがあるのか
・その若者を雇うことにより、何か(公的等)援助はあるのか

⇒企業に対する動機付け
・成功例の紹介
・困難でも危険ではない
・「社会的責任を果たしている」ことは、利益につながる
・High:fiveはあなたの会社が必要な人のみ紹介する
・High:fiveが常に支援する

○青少年(犯罪者)の壁
・「誰からも必要とされていない」と思っている
・職業スキルの不安
・社会的常識・習慣不足の不安
・薬物乱用

○刑務所での面接(出所後、スムーズに就職するための準備)
・4つの必要条件
1.働く決意と意欲
2.犯罪行為をしない決心
3.断薬
4.釈放後の住居(ない場合は、自治体と交渉)
・本人の行動、態度、薬物乱用状況の調査
・自分の人生は自分の責任であること

○決定
・彼は、High:fiveの要求水準に達しているか?
Yes→彼が仕事をするために、どうすればいいか
No →とんな支援が必要か(職業訓練等)

○企業側へ
・履歴書、犯罪歴等を提示(オープンにする)
・企業が彼と面接をし、採否を決定
・High:fiveが計画書を、刑務所、自治体、その他関係機 関に提出・説明
・彼(犯罪者)に対し、釈放1ヶ月前から就職予定先でインターン シップ
を開始→釈放と同時に採用決定

○フォローアップ
企業は何を求めているか、青少年(犯罪者)には何が必要か、Hi gh:fiveは
いつでも、企業・青少年を助けることができる

⇒High:five発足(2006年8月)以来、850件のマ ッチングを実施。
登録企業は約1500社
●2日目は5グループに分かれ、発表・討論が行われました。
ここではテーマのみ挙げます。
①刑務所出所者等の生活基盤整備の確保
~住居・就労支援で再犯を防ぐために~
②薬物依存のある保護観察対象者に対する保護観察について
③発達障害のある対象者の保護観察
④医療観察対象者の地域における処遇~精神保健観察の課題を中心 に
⑤保護司活動の基盤
日本BBS連盟機関紙「ともだち Vol.193」2012年12月号にも
載っていましたが、初日のレセプション終了後、日本BBS連盟馬 場会長
を中心に、BBS会員、保護観察所官,少年鑑別所法務教官,
科学警察研究所技官,社会復帰促進センター社会復帰支援員(PF I刑務所
:Private Finance Initiative)のBBSOBなど12名で、語り合い、
楽しい夜を過ごしました!
初めての学会に参加し、現実的な難しい問題について知ることも多 かった
ですし、レベルが高いなと感じましが、いろんな組織の人の横のつ ながり
がたくさんできたことは、こやまんにとってとても大きな収穫でし た!

(日本更生保護学会事務局の許可を頂き、配信しています。)
------------------------【配信日:2 013.02.27】
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