チュウBメルマガ VOL.151-1
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◆◇◆日本更生保護学会設立記念大会◆◇◆
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2012年12月8(土)~9日(日)、東京都豊島区の立教大学 池袋
キャンパスにて、更生保護関係者総勢300~400名の参加を得 て、
日本更生保護学会設立記念大会が行われました。
BBSの参加者は確実に把握できませんでしたが10名強だったと
思います。
2回に分けて、配信します。今回は1回目。

この設立記念大会について、できるだけみなさんに、基調講演等を
わかりやすくお伝えしたいのですが、大会での講演について、メモ を
上手く取れませんでした。(言い訳ですが、ぼくの仕事は更生保護 とは
無縁の技術系です^^;)だから、ポイントをお伝えすることで、
お許しください。
言い方を変えれば、BBS会員だから、専門家でなくても
「日本更生保護学会」に入ることができたこと、とてもうれしく
思っています。

この、「日本更生保護学会」はBBS会員に限って、
(大学院生だけでなく)大学生も加盟できる(珍しい)組織となっ ていて、
この点こそが、この学会の革新的な試みで、まさしく、新世紀を切 り拓く、
21世紀の刑事政策を見据えた上のことであるといえると思います 。
学会長の藤本哲也さん(中央大学名誉教授,常磐大学大学院被害者 学
研究科教授)から、「BBS会員のみなさんも是非とも入会してほ しい」
と強くおっしゃっていました。

機関誌「更生保護学研究」の刊行、内外の保護観察にかかわる文献 、
資料の調査収集など更生保護に関する研究をし、更生保護の更なる 進歩
発展に貢献していくためにも、BBS会員のみなさん、
日本更生保護学会に入会しませんか?
入会方法は↓をご覧ください。
http://www.kouseihogogakkai.jp /introduction.html
「基調講演」

●「犯罪者処遇における更生保護の役割」
日本更生保護学会長(中央大学名誉教授・常磐大学大学院教授)
藤本哲也氏

○2007年6月8日に制定された「更生保護法」。それまでの流 れ―
2004~2005年に起こった保護観察歴のある人の再犯、
刑務所から仮釈放後、数日での再犯(殺人)等、それから
「更生保護のあり方を考える有識者会議」を反映された、
「更生保護法」の制定。

○満期釈放者のための再犯防止対策
帰る先のない満期釈放者、また就職できない(していない)保護観 察中
の人の再犯率が、住むところがある人また有職者に比べて、再犯率 が
とても高い。
更生保護施設の重要性や、国の施設である自立更生促進センターや
就職支援センター、これらの施設での支援を受け、対象者が帰住地 での
円滑な社会復帰を図っていく。

○おわりに
我々犯罪者処遇に携わる者には大きな夢がある。それはただ単に
再犯防止にとどまらず、「犯罪のない社会」を作り出すことである 。
我々がその夢を実現した暁には、我々のすべてがその職を失うこと を
知っている。それでも、我々は「犯罪のない社会」を夢見るのであ る。
我々はドンキホーテなのかもしれない。しかし、演者は、同じ夢を 見る
仲間として、日本更生保護学会の会員の皆様とともに、更生保護の
在り方について議論し、犯罪のない社会の実現のために日々邁進し て
いきたいと思う。
●「犯罪者の更生:再犯危険性の管理と善い人生の追及」
ビクトリア大学ウエリントン校教授(ニュージーランド)
トニー・ワード氏 (Prof. Tony Ward)

<犯罪者の更生>
・更生に関する伝統的な仮定
→犯罪は社会的、心理的要因の特別なパターンによって引き起こさ れる。
→これらの要因に焦点を当てて介入すると、再犯率を引き下げるこ とが
できる。
→個人は、逸脱行為を行う傾向(危険性)に関して多様である。
→処遇は、個々の犯罪者の独自のニーズに見合うように、特別に
あつらえるべきである。

○犯罪者が知りたいのは―
「この処遇が自分のためになるのか?」
演者は、処遇方法が「再犯防止」に焦点が当たり過ぎではないかと
考えている。

<GLM:Good Life Model(善き人生モデル)の提唱>
・善い生活は何が対象者(犯罪者)にとって重要かを理解し、対象 者が
これらの目標を得るのを助けることで獲得されていく。
・対象者が人生の中で大切なものを獲得していくのを助けることで 、
危険性を管理できる。
・危険性因子として知られているものを変え、注視していくことで
危険性を管理する。

○処遇の目的
・個人にとって意味があり、再犯危険性も管理できるような生活の
プラン(善い生活のプラン)を発展させる。
・肯定的な目標を策定し、これらを実現するための技能と外在的な
機会を築けるよう(協働して)努力していく。

○指導監督の目的
・危険性の有無だけでなく、善い生活を送れているかも注視してい く。

○結論
・危険性-ニーズアプローチは、GLMのようなもっと建設的な
長所基盤のperspective(ものの見方・捉え方)をはめ 込むべきである。
・効果的な処遇の統合された局面の枠組みを提供する:危険性,目 標,
動機付け,意味,生きる環境,可能性を積み上げていくこと(価値 と
スキル)
・二つの焦点:善の促進と危険性の管理
★感想★
早稲田大学広域BBS会 西川泰那さん(専修大学大学院1年)

今回の学会で、日本だけでなく海外の状況を知れてよかったと思い
ました。日本も海外も同じ問題に直面していると思うと、国籍とか
環境はあまり関係なのかなとも思いました。
印象に残ってるのは、皆に同じ処遇をっていうより、その人に合っ た
処遇を考えなきゃいけないんだってことです。
今までよりも、もっと少年や罪を犯した人、一人一人と向かい合っ て
いきたいと思いました。

(日本更生保護学会事務局の許可を頂き、配信しています。)
(その2に続きます)
------------------------【配信日:2 013.02.26】
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